先週書き漏らし&今週も大遅刻ですが…、ハロウィンってことでまたまたホラーです。
かの、ジャパニーズホラー映画代表作の原作、
鈴木光司「リング」。
私、ホラー映画は本当に苦手で、実は「リング」映画版も、数えきれないほど切れ切れには見てますが通してちゃんと見たことないんです。例のシーンも目を開けては見たことがありません。アレ、想像しただけで十分に怖いんですもん。
で、その原作であるこの小説ですが、本当に怖いです。
前回ご紹介した「鍵」とは違い、ホラーというジャンルに直球勝負で、怖がらせるための構成であり文章であることを読んでてひしひしと感じます。
ホラーって、ちゃんとした文章で書いたり話したりすると、効果が薄れる場合がある気がするんですね。
いや、そりゃあ巧者ならそんなことないのかもしれませんが、なんというか、私はホラーって、何よりも雰囲気重視だと思うのです。
その点、この「リング」はとにかく文章一つから構成から、登場人物、小道具や舞台設定まで、怖い雰囲気をこれでもかと充満させています。
ホラー映画では基本中の基本、常套手段ですが、ちゃんとした小説でこれをやられるのが、こんなに効果的だなんて思いませんでした。
ちゃんとした小説で、と書きましたが、世にあるホラー小説って、『ちゃんとしてない小説』がほとんどだと思ってたんですね。
ホラー小説というより、怖い話、という方が収まりの良い感じの。
これが悪いという訳ではなく、ホラーに限っては、その方が怖い=面白いということも多々あります。
でもこの「リング」は、ちゃんとした小説なんです。
お話はミステリの作法で、筋道立てて謎を追っていく。
なのに雰囲気最重視のホラー。
このぎりぎりの線を保ってるのが、お互いを引き立てあって、単独ではあり得ないほどの怖さを生み出してるんです。
こんな小説があるんだ。
これを読んだ時、そう思いました。
もっと言いますと、ホラーというジャンルの小説に初めて出会った気がしました。
(それまで私の中では、ホラーというジャンルは小説にはなく、ファンタジーやスリラーなどと勝手に呼んでました)
あまりにも有名な映画ですので、皆さんお話はよくご存知でしょうから、「ぜひ読んでみてください!」という勧め方はしませんが、どんな話だったか忘れた・もしくは私と同じく驚かすための映像や音声が苦手で映画を見てない、という方は気が向かれたら読んでみてくださいね。
本能的で感覚的な怖さを、これでもかと的確に文章にした¨ホラー小説¨、
「リング」。
本を読む人で、本当によかった!
PR