先週予告しました時代小説です。
池波正太郎「にっぽん怪盗伝」。
私が時代小説の面白さに目覚めた1冊です。
うちの父が歴史物や時代物を好んでいて、私が子供の頃、この池波正太郎・司馬遼太郎・藤沢周平という名だたる作家たちの本が家にたくさんありました。
当時、あまり興味はなかったのですが、なんとなく暇つぶしにとっつきやすそうなのを1冊拝借したのが、この短編集です。
読み始めてすぐに引き込まれました。
なんとなく選んだこの本は、1話20~30ページの短い中に江戸の市井が生き生きと描かれ、スリリングで捻りの効いた展開としみじみとする人情話を兼ね備えている、まさに傑作短編集だったのです。
しかも、ひとつの話に出た人物が他の話に顔出したりと、ちょっとした連作になっているというお楽しみもあります。
改めて読み返して、やっぱり面白いなぁと思いましたが、特に好きなのは「白浪看板」「喧嘩あんま」でしょうか。
この「にっぽん怪盗伝」と出会ってから、様々な素晴らしい時代物・歴史物を読んできましたが、それはまたの機会にご紹介します。
ちなみに池波正太郎はかの「鬼平犯科帳」シリーズの作者なのですが、この「にっぽん怪盗伝」にもちょっぴりだけ出てきます。
江戸爛熟期を舞台に盗賊たちのドラマが花開く
「にっぽん怪盗伝」。
本を読む人で、本当によかった!
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