スポーツ選手に何を求めるかはいろいろあるでしょうが
私は‘カッコよさ’を求めてしまいます。
それはもちろん見た目の事ではなく
プレースタイルだったり
生きざまの‘カッコよさ’。
(あ、でもホントにカッコいい選手は男前とかじゃなくカッコいい顔になりますけど)
そういう意味で先日の亀田大毅選手は
とってもカッコ悪かった…。
ただしあまのじゃくな私が
バッシングの声がかまびすしい彼をちょいと弁護しますと
まずあのリングに立っていることに
最低限の敬意は払いたいと思うのです。
怖いよ〜、リングに立つってのは。
力石みたいに死ぬかもしれんのよ。
まさに命を懸けて戦ったボクサーに対して
安全な茶の間でメタボな身体にビールを流し込みながら観ている輩が
‘死ね’呼ばわりするのは醜悪というか品がなさすぎると思うんです。
(もちろん今回は‘切腹’などという品も知性もない発言をした方も悪いんだけど…)
試合前の舌戦は格闘技の世界では当たり前。
スポーツであると同時に興行の要素も強いため
前景気を煽るために挑発し合うんです。
現にそういう言動があったからこそ
これだけ注目されたわけですから。
(ただ繰り返しになりますが‘切腹’は行き過ぎだけどね。)
…と弁護し終わったところでこき下ろしますと(笑)
今回の大毅選手はあまりに稚拙で
あまりに未熟だったということでしょう。
まさに亀が甲羅のなかに身を潜めるかのように
ガードをガチガチに固めながらひたすら突進していく‘亀田スタイル’。
臆病なせいか兄以上に防御姿勢が堅い大毅選手ですが
今までのひ弱な海外選手であれば
その圧力に屈して攻め手が見出だせなかったんですよね。
しかし今回はやはり世界チャンピオン。
突進を受けながらもリードなどでなんとか間合いを保ち
ガードの上からでもパンチを当てる事で
ダメージは与えずとも手数で圧倒し
確実にポイントを奪っていったのです。
この展開はあらかじめ予想できていました。
‘亀田スタイル’を突き崩してKOを奪うのは容易ではない。あれだけガードされちゃーね。
ましてや内藤選手はさほどパンチ力がある方ではなく
おもしろい角度からパンチを当ててくる
老練な技巧派タイプ。
となればチャンピオンサイドは手数勝負を挑んで判定に持ち込むのが得策なわけで
そのためにも十分なスタミナ練習を積んだわけです。
果たして予想通りに試合が滑り出したのに
亀田サイドはそれに対抗する術を全く持ち合わせていなかった。
中間ジャッジで大きく水を開けられても
スタイルを変えて応戦することがほとんどできなかった。
唯一対抗する策が‘反則’だったのならこんなに悲しいことはない。
最近大毅選手の試合を見ていなかったので
‘まだこんなレベルだったのか…’と途中から哀れになってきた。
大人の都合で世界戦という場違いな檜舞台に引きずり出された
未熟な少年ボクサーの苛立ちが最後の投げ技に表出した気がします。
そして試合内容よりも残念だったのは試合後の対応。
勝者と握手はおろか一礼を交わすでもなく
逃げるように控え室に帰ってしまった。
大言を吐いてただけにあの結果は悔しいし恥ずかしいし情けなかったとは思う。
でも試合後、最後まで命を懸けて戦った同志に
そして自分を凌駕した勝者に対して
敬意を払って欲しかった。
それが戦う者としての礼儀ではないかと…。
逃げ帰るその姿が何よりカッコ悪かったと私は思っています。
ほーら、また長くなった!
最後まで読んでいただいた方ありがとうございます。
ぜひコメントください!
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