またまたmy本棚からです。
今一番好きな作家は、宮部みゆきです。
彼女の素晴らしい文章力と構成は、読む度にほんと敬愛の念で胸をいっぱいにさせます。大好きです。私好みの体現です。
この方の本の特徴として、登場する人間が、なんといいますかみんな「いい人」ってことも挙げられます。
お話のキーにするには、惹き付けられる人間像を描かなければいけません。どうしてもある種濃いキャラクターになり、その個性はちょっぴり不快感をかもしだすものなんですね。
ところが宮部みゆきの描く人間には、それが無い。どの登場人物にもないんです。悪役・憎まれ役にも、無い。嫌な人だけど造形による不快感は皆無なんです。
私はここも非常に優れていると思います。
きっと、宮部みゆきさんご本人が稀にみるいい人だからなんだろうな、と想像します。そして、こ
…長くなるのでやめます。
宮部みゆき論の続きはまたに。どうせまた取り上げるだろうし。
さて、「レベル7」です。
彼女の作品でよく好んで読むのは時代物なんですが、1冊他人に勧めるならこれです。
レベル7までいったら戻れない―
目覚めると、記憶がすべて失われていた男。ここがどこかも自分が誰かもわからない。隣には、寝ている女。彼女も記憶を失っていた…。
そして、ふたりの腕には「LEVEL 7」という文字がくっきり記されていた。
こんなお話です。
このティーン向けのファンタジー調ライトノベルみたいな設定から、思わぬ展開と伏線が交錯しまくる、しっかりしたミステリーへと導かれます。
いや、天才。ほんと宮部みゆきは天才です。
すさまじい構成力です。
私にとって、本を読むのは、娯楽です。
磨かれた感性を持ってる人たちのみが楽しめるものは、素晴らしいとは思いますが個人的にあまり好みません。 (なので、純文学などはそんなに読まなかったりします)
本に限らず、OPPもそうありたいなと思っています。わかりやすく楽しめるものを作りたい。
この作品は、宮部みゆきは、最高級の娯楽です。
まだ読んでない方、万人に勧められる小説です、ぜひ読んでください。…ちょっと長いですが。
ちりばめられたファンタジー的設定が、ひとつの真相に収束していく圧巻の構成力、
「レベル7」
本を読む人で、本当に良かった!
すみません