先週もブログ休んでしまいました。
私は職業柄、忙しい時と暇な時が極端なのですが(主に展示会やイベントを中心に司会・ナレーターの仕事をしています)、今は1年でもとりわけ忙しい時期です。
特に今年は、R.P.G.直前だったのでイベント仕事の多いお盆に全く仕事を入れてなかった分、今頑張って取り戻してるんで朝から晩まで吐きそうに忙しいです。
まぁ所詮、怠け者の節句働きなんですが。。
壮馬くん、一人芝居手伝ってあげるわとか言ったのに何もせずにごめんなさい。。
さぁそんな私ですが、読書の秋!ということで実はブログ張り切ってます。
久々にご紹介する本、悩んだんですが、ハロウィンにちなんでホラーを。船長も先日怖いネタブログ書いてましたね。
筒井康隆の、「鍵」。短編です。
まさしく鬼才と呼ぶに相応しい作家である筒井康隆。
私はまだまだたくさん読んでないのがあるんですが、この方の小説はどれを読んでも、筒井康隆にしか書けない強烈な作品だと思います。
特に私の好きな短編はほんとに強烈で、ホラーテイストというか「怖い」話も多いのですが(ジャンル分けしたらSFになるのが多いのでしょうか)、怖さで言えば私の中でのダントツが、この「鍵」です。
仕事に日々忙殺されて疲労の極致状態な主人公のルポライター。
原稿を仕上げた後、ふとかつて住んでいた家の鍵が目に付き、立ち寄ってみようと思い立つ。
そうやって訪れた家の引き出しの奥から古い鍵が見つかり、すっかり忘れていたその鍵の部屋へと行ってみるとまたそこには更に古い鍵が…
と、おぼろげな記憶をたどりながら、どんどん古い鍵をたどっていった先には、果たして何があったのか。
こういうお話です。
鮮烈なオチがちゃんとあるのですが、そのオチに集約していくまでの過程そのものが、もうとにかく怖いです。
自らの過去を一人称で遡っていく主人公にリンクして感情移入しつつ、徐々に得体の知れない不安な気分になって、あぁ、もうこれ以上進むのはやめようよ、と読み進むのすら怖くなるのです。
この小説の、どこが怖いのか。挙げようと思えばいくつも理由を並べることはできますが、怖さってそんな風に楽しむものじゃないですよね。
ひとつ言えるのは、もうこの短編の、どの一文を取っても、怖いんです。なんということのない描写ひとつ取っても。
こんなの読んじゃうと、もうため息つくしかないですほんと。すごいです。
あぁ、久しぶりに好きな本を紹介しましたが、やっぱりいいですね。書いててすごく満足しました。もうぜひみなさんに読んで欲しいです。
心地よい不快さ、という上質のホラーでしか得られない奇妙な感覚を、これでもかとばかりに味わえる隅々まで怖い短編、
「鍵」。
本を読む人で、本当によかった!
追記です。
コメントいただいたので、気になって調べてみたら、今はこの本で読めるみたいです!
機会があればぜひ読んでみてくださいね(^^)
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