新年のお慶びを…
…申し上げようと思ってるうちに、1月も下旬となりました。
皆さまお久しぶりです!
2010年は略すと10年って書くのかなわかりにくいなとずっと気にかかっているにしだです。
旧年はほんとに目の回るような忙しさで、飛ぶように過ぎ去って行きましたが、大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(今年の目標はとりあえずブログを休まずに書くことかなぁ。。)
********
さて、今年一番はじめにご紹介するのは、「赤髪連盟」。
シャーロック・ホームズシリーズの中の有名な短編です。
なぜこれを書こうと思ったのかと言いますと、昨年末に霹靂丸で上演しました「クリスマス・ヒロル」に似た展開のあるミステリーだからです。ちょっと時期外れになっちゃいましたが…。
ホームズものの中でも、私にとって1、2を争う好きなお話です。
世間でも評判は高く、これのモチーフで書かれたミステリがたくさんあります。
作者はコナン・ドイル。
不滅の第一短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収められています。
私の持っている創元推理文庫版の序文に、こんな言葉があります。
「ホームズの前にホームズはなく、ホームズのあとにホームズはない。
シャーロック・ホームズこそは名探偵の代名詞であり、推理小説そのものである。」
まさしく、そのとおりです。
ホームズものは、確かに今読めばアラが目立つところもあります。(そういう目で読めば、ですが)
でも、このロマン、このスリル、謎解きの醍醐味に、魅力あふれるキャラクター。
すべてのミステリの美徳の、新時代を切り開いたのはまさしくホームズです。
今読んでもまったく色褪せない、名作中の名作です。
さて、この「赤髪連盟」(私が子供の頃に読んだ本では確か『赤毛連盟』でした)。
ホームズものは、ホームズと助手役である友人の医者ワトスン(ワトソンとの訳もあります)がいっしょにいるところに依頼人が訪ねて来る、という幕開けのものが多いのですが、「赤髪連盟」もそうです。
ワトスンがホームズを訪ねると、依頼人がちょうどわが身に起こった不可解な事件の相談に来ているところでした。
依頼の内容は、赤い髪の人を雇う破格の待遇の組織、赤髪連盟について。
燃えるような真っ赤な髪を持つこの依頼人は、話を聞いてこの赤髪連盟に面接に行ったところ、ものすごい競争率を突破して見事採用されます。
翌日からさっそく仕事にいくと、それは1日たったの4時間、百科事典を黙々と写し書きするだけの仕事でした。
その週末には、もちろんお給料もちゃんともらえました。
そのまま何の不満も困ったこともなく熱心に8週間働いたのですが、次の朝出社してみると、「赤髪連盟は解散する」と一言だけ残して事務所がきれいさっぱり無くなっていたのです。
途方に暮れて調べるも、赤髪連盟の責任者の名前は偽名。身分も詐称したものでした。
依頼人は色々考えた末、いたずらか何らかの企みだったのかもしれないと、ホームズに調査を頼みに来たのでした。
大変短い話ですので、この真相と結末はぜひ本書をお読みください。
まぁ有名な話ですので、読んだことなくてもあらすじとネタバレをご存じな方も多いんじゃないでしょうか。
はじめて読んだ子供のころ、謎のピースがぴったりとはまった感に歓声をあげたくなったのを覚えています。
(なんか子供の頃の感想でご紹介している本が多いですが…)
「クリスマス・ヒロル」にお越しいただいた方はぴんときたかもしれませんが、「クリスマスに公園で座っているだけのバイト」という筋を考え付いた時に、まず思い浮かんだのはこの「赤髪連盟」でした。
本当ならオマージュとして、ヒロが色々考察する中にこれのトリックネタも入れこもうと思ってたのですが、時間に余裕がなかったので削りました。
前述しましたが、「赤髪連盟」のこのモチーフで書かれたミステリはたくさんあり、私もいくつか読んだことがあります。
「赤髪連盟」と同じで“その場にいないことに意味がある”トリックが多いと思いますが、「クリスマス・ヒロル」は“その場にいることに意味がある”方の企みでしたね。
推理小説ではないので単純なストーリーでしたが、もっと“その場にいないことに意味がある”の方へのミスリードを膨らませられたら私好みだったな、と少し残念です。
名探偵の代名詞、馬車とガス灯の時代から現代まで世界中の人を魅了してやまないホームズの傑作短編、
「赤髪連盟」。
本を読む人で、本当によかった!
PR