OPPチョコへのご来場、そして多数の応援、ありがとうございました!
今回、お子様にも結構お越しいただいてましたので、児童文学を取り上げてみます。
アメリカの都会暮らしのお母さんであったE.L.カニグズバーグが書いた「クローディアの秘密」です。
カニグズバーグのはじめて出版した本だそうです。
物語の主人公は、もうすぐ12歳の普通の少女・クローディア。
ある日、弟のジェイミーを誘い、家出を決行します。
向かった先は、ニューヨークのメトロポリタン美術館!
なんと二人はそこにこっそり住み込んじゃうんです。
もう、ここまでのあらすじを読んだだけでわくわくしませんか?
クローディアは頭の良い娘でしっかり考えて計画を実行し、成功しちゃうんです。
美術館の中で、守衛さんからうまく逃げたり、学校のみんなが授業で偶然美術館に来てハラハラしたり、館内の噴水でお風呂に入ったり…と二人の生活は続きます。
そんな日々の中で、クローディアはとある天使の像と出会い、惹き付けられ、その謎を解こうとします…。
本の最初には、実際のメトロポリタン美術館内部の地図が載っていまして、想像がめちゃくちゃふくらみます。
私ならこの部屋で寝たいなぁとか。
そして「クローディアの秘密」は、美術館へ家出するだけの話ではありません。
ミケランジェロの作とされる天使像の謎を解こうとする過程で、大人へと一歩進む、少女の成長の物語なんです。
「クローディアの秘密」というタイトルの奥深さが、おしまいの方でわかります。
子供向けのお話ですが、著者は矛盾のないよう練り上げ、伏線を張って、しっかり構成しています。
また、原書の英語も正確な言葉でいわゆる子供語のような形容詞を使っていないそうです。訳もそれを踏まえて、児童文学の割には飾り気ない固めの文章です。
児童文学ですので小学校高学年の子や、もちろん大人が読んでも面白いと思いますが、中高生でもクローディアに共感できるところがあるんじゃないかと思います。
機会があれば、これはやはり10代半ばまでの皆さんに読んで欲しいなぁ。
ちなみに怖い歌だと有名なNHKみんなのうたの「メトロポリタンミュージアム」は、この本をモチーフにしています。
本の内容とはだいぶん違うイメージの歌なので、初めてあの歌をテレビで見た時、なんでこんな歌に??と謎でしたが。
わくわくしざるをえない強力な魅力設定と、ひとりの少女が「ちがった自分になる」成長の記、
「クローディアの秘密」。
本を読む人で、本当によかった!
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